【学生研修実施】こんな時どうする?お悩み共有会 #18

こんにちは。
ギフテッドプロジェクトsprinG社会人スタッフのラナです。11月に行った学生研修の様子をお知らせします。

▶前回の様子はこちら

今回のテーマは

子ども同士の口論が白熱した場合の対処について

ゲームや雑談をしている中で、ちょっとしたきっかけが正義感を刺激して、子ども同士で口論になってしまうことがあります。

ほとんどの場合、スタッフが「相手の気持ちも考えて話そうね」「二人とも言い方がきついかも」などと話すとおさまります。(そのたびにスタッフは「感情の折り合いをつけられてる…!」とジンとしています)

しかし稀に、お互い譲れないことに触れてしまい、口論が続くことがあります。

そうなると、一緒に遊んでいたほかの子どもたちの気持ちもざわざわしてしまいますし、当人たちにとっても気持ちのいい時間ではないはずです。
そういった場面でのスタッフ対応を改めて検討しました。

結論としては以下のようになりました。

1.前提は「子どもがそれぞれ安心安全でいられる場所の提供」であること。
2.人格否定などの行き過ぎた発言は最優先で即座に止めること。
3. 以上の2点を踏まえたうえで、子ども同士の納得感を大切にしたいということ。
4.代表の伊藤や佐藤に相談の上、それでもどうしても対処できない場合は、おうちの方にご相談すること。

1.2.4は言うまでもなくスタッフ皆納得の形で確認が進み、議論になったのは3の具体的な方法でした。

子ども同士の納得感を大切にするために私たちが取り組みたいこと

  1. スタッフ数が十分だと判断した時、口論になった両者とスタッフの3人で話をする。
  2. スタッフはできる〜む内でアバターごと移動することを促し、口論になった両者とスタッフの3人が静かな場所で話すことができるようにする。
  3. 話し合いはできるだけ冷静に、建設的に、納得感を持てることをゴールに、時にスタッフが話題の軌道修正を行う。
  4. 子ども同士が話し合いを望んでいない場合はもちろん強要しないが、安心安全確保のため、別のグループで遊んでもらい様子を見ることも検討する。

あくまで子ども同士が望む場合に、仲直りを強いない形での建設的な話し合いをサポートすることで、納得感の醸成に努めます。

実際の場面ではまだまだ苦戦することも多いとは思いますが、安心安全な居場所であることを守りつつ、スタッフはもちろんのこと、子どもたちと一緒に、試行錯誤しながら「できる〜む」を作っていけたらと思っています。

執筆者:ラナ 個人の感想

今回のテーマは、軽重はあれどたびたび話題に上がるものでした。

できる〜む後に自然とスタッフが残り、相談しあうこともたまにあります。

何度も考えてきたテーマであり、スタッフによって多様な意見が出るものでもありました。

案の定、ミーティング時間を延長するほど、熱い議論になりました。

スタッフ一人ひとりが、自分事として考え、意見した時間だったと思います。

印象的だったのは、「人格否定が目的じゃないなら、口論すること自体は必ずしも悪いことじゃないよね」という趣旨の発言が出たことと、それによって「子ども同士の納得感を大切にしたい」という共通認識が形成されたことです。

仲のいい友人同士だって、ぶつかり合うことはあるし、意地になって譲れなくなることはありますよね。それでも、話し合ったり、時には一度距離を置いたりすることで、冷静になって仲直りするというのは、自然な発達形成に思えます。

それを、「特性だからもう譲れないだろう」と諦めてしまうのは、すごくもったいない。正義感が強いからこそぶつかるのなら、納得感があれば譲りあえるかもしれない。

もちろん、家族として24時間365日それに対処するのは難しいかもしれません。しかし、できる~むはななめの関係として、1日数時間の関わりです。

そんなできる~むスタッフだからこそできることがあるのではという強い思いが、そこにはあったように思えます。

一方で、「綺麗事」で終わらせてはいけないとも考えています。

「どちらも悪かったよね、ハイ仲直り」という喧嘩両成敗的な型にはめられては、納得感の醸成ができるか疑問が残ります。
だからこそ、スタッフは最低限「話し合い」になるサポートをしつつ、メインは子ども同士で話してもらうというような話になりました。

必ずこれですべて解決!とはいかないでしょう。

それはスタッフみんな分かっているからこそ、会議終了時には「やってみてまた話しましょう」というような声が出ました。

これからも、試行錯誤は続きます。

しかし、「できる〜むスタッフだからこそできることは何か」「特性だからと片付けずに方法を探していくことはできないか」という視点は、これからの試行錯誤の質をあげてくれる指針にもなったように思えました。

今回の学生研修では、テーマについて認識をすり合わせられたとともに、
できる~むスタッフとしてどうありたいか、というスタッフの考え方が垣間見えた時間でした。

これからも、学生も子どもも安心できる「できる〜む」をつくるために、ケース会議と研修を重ねていきます。


以下のプロジェクトページでは、ギフテッドプロジェクトsprinGが取り組んでいるその他の保護者の方向けの支援などもご紹介しています。

今後とも、学校に馴染みづらく困難を抱えているギフテッドの子どもやご家族の役に立てる活動の実践と、今回のような形での研究発表等に努めてまいりますので、ぜひご注目いただけましたら幸いです。

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