京都共栄学園高等学校にて、「当たり前を問い直す」をテーマに全3回の授業を行いました!

2026年9月、京都府福知山市の京都共栄学園高等学校にて、関西中高まなびプロジェクトの一環として、高校2年生の進学コースの生徒(1〜3組)を対象に、「当たり前を問い直す」をテーマとした全3回の授業を実施しました。

授業の目的――「本当にそうかな?」と立ち止まるために


私たちは、ふだん数えきれないほどの「当たり前」に囲まれて暮らしています。この授業が目指したのは、その当たり前にいったん立ち止まり、「本当にそうかな?」と問いを立てる経験をしてもらうことです。

大切にしたのは、ひとつの正解にたどり着くことではありません。自分とちがう考えの人に出会うこと、答えが出ないまま考え続けること、そして自分たちで立てた問いを、自分たちの言葉で話し合うこと。あわせて、大学での学び(学問)が「答えを教わる場」ではなく「問いを立てて自分たちで考える場」であることを、大学生と一緒に体験してもらうこともねらいとしました。

第1回(9月4日)「正しい日本語」って何?


第1回では、問いを立てるための事前準備として、「日本語には正しいものと正しくないものがある」という当たり前を問い直しました。

初めに考えたのは、「日本語が正しいってそもそもどういうことなのか」です。「食べれる」「マジで?」といった表現について、「正しいかどうか」や「どんな相手になら使うか」を、ワークシートやカードゲームを通してグループで話し合いました。実際の場面を想像しながら考えていくと、表現が『正しいかどうか』と、その表現を『使うかどうか』は、必ずしも同じ基準で判断されているわけではないことが見えてきます。

最後には、この授業で考えたことが、言語学という学問の考え方にもつながっていることを学びました。

第2回(9月11日)大学生の「問い」に出会い、自分たちの問いをつくる


第2回では、大学生スタッフによる「自分がいまの専攻に進むきっかけになった問い」についての座談会からスタートしました。その後、生徒たちは自分にとっての「当たり前」を探し、それについての問いを付箋にどんどん書き出していきました。

ここでつくった問いが、第3回の哲学対話の出発点になります。

第3回(9月16日)自分たちの問いで哲学対話をしてみよう


第3回では、各班がつくった問いのなかから投票でクラスの問いを選び、哲学対話を行いました(たとえば「殺していい生き物と殺してはいけない生き物のちがいってなんだろう?」など)。

生徒のみなさんにとっては、初めての哲学対話でしたが(実際にクラス全員で円を囲むのは、新鮮だったようです)、真剣に考えている姿が見受けられました。

答えの出ない問いについて話し合うことに、生徒たちはどう向き合ったのでしょうか。アンケートでは、約4割が「もっとやってみたい」、同じく約4割が「おもしろかったけど、疲れた」と回答しました。「疲れた」は、それだけ頭をフル回転させた証拠なのかもしれません。「哲学対話の時間がもっとほしかった」という声も多く寄せられました。

また、3回の授業を通じて、約半数の生徒が「大学での学びのイメージが変わった」と答えています。

生徒たちの声(抜粋)


「正しいかどうかと使うかどうかでは違うということ」(第1回)

「マジでをダメだとしていたけど班員が本気でまじと読むと言っていて面白かった。」(第1回)

「問いの答えを教えてもらう場だと思っていたけど、答えのない問いについて考える場だということ。」

「高校までと違い、自分で問いを立ててそれについて考えるのが大学の学びなのだと分かりました。」

「よく1人で自問自答をするので、みんなで話せる哲学対話はとても楽しかったです。」

「普段の授業より、班で発言することができた。」

「自分の疑問をなんだろうで終わらせるのではなくて、もっと考えていくと未来が明るくなるとおもいました。」

「大学生は思ったより歳近いって思った。めっちゃ大人と思ってたから。」

大学生の関わり方については、「班での話し合いが行き詰まっていた時に声をかけてくれたこと」「いろいろな話を振ってくれて話しやすかった」という声が寄せられました。

今後の展望


生徒たちは最後まで、自分たちの問いに真剣に向き合ってくれました。「当たり前を疑い続けたい」「わからないことをもっと考えたい」。アンケートに寄せられた声から、生徒のみなさんがひきつづき「問い続けたい」と思ってくれていることが、みてとれます。

第3回のアンケートに寄せられた声を紹介します。

「第3回にわたり、遠路はるばる授業をしてくださってありがとうございました。」


こちらこそ、本当にありがとうございました。私たちは今後も、アンケートや現場で得た気づきを大切にしながら授業を磨き、生徒一人ひとりが自分の問いを大切にできる学びの場を広げていきたいと考えております。

最後になりますが、本授業の実施にあたり、日程調整から当日の運営までご協力くださった京都共栄学園の先生方に、心より御礼申し上げます。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!