7月6日(土)~7日(日)に、NPO法人ROJE「災害と教育事業部」のメンバーで1泊2日の合宿in福島県・宮城県を行いました。
1日目は福島県、2日目は宮城県でフィールドワークをおこないました。メンバーにとって学び多い今回の合宿の様子を2回にわたってご報告します。
今回は、1日目の福島県編。南相馬市の小高区を訪れるのは初めてのメンバーも多い中、震災と地域の関わりや防災の在り方について、たくさんの学びを得た1日となりました。
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■1日目(夕方):小高散策
1日目の夕方から小高散策を行いました。今回私たちが訪れた福島県南相馬市の小高区は、東日本大震災発生時の地震と津波による甚大な被害を受け、さらに福島第一原子力発電所事故により2016年7月まで避難指示が出されていた地区です。
散策ではいくつかの班に分かれ、交流館やカフェ、地域の交流場などに訪れて、小高に住んでいる地域住民の方々にインタビューし、最後に班ごとに活動や感想を共有しました。フィールドワークで震災に襲われた地をこの目で見て、実際に被災した方の話を伺うことで震災の様々な面に触れることができました。そして、復興支援・防災教育を行う実践者として向き合わなければならない震災について理解を深めることができました。
小高一帯の様子は、駅付近には建物が並び、飲食店やコンビニなどが再開し少しずつ復興が進んでいる様子でしたが、駅から離れると空き地が広がり人通りもほとんどなく閑散としていました。
雨の降る小高の町を、班に分かれて散策しました♪
小高に住んでいる方々はどんな職業であれ、過疎化がすすむ「ふるさと」と向き合い暮らしていることを、インタビューを通して知りました。それぞれの方が被災地であるふるさとのためにできることは何かを考え、復興に向けて活動されていました。皆さん被災という辛く悲しい経験を積極的に話してくださり、我々震災を知らない人々に伝えたいという気持ちを実感しました。
小高の施設や民家で、町の人や歴史に触れました。
散策で得た学びを、宿に帰ってみんなでシェア。
まだまだ途中段階にある被災地の復興に目を向け、教育に携わる人間として自分自身にできることを考え行動していきたいと思います。
■1日目(夜):防災ゲーム体験会
1日目の夜には、わたげプロジェクトが主催となり、防災ゲーム体験会を行いました!今回、体験してもらったのは「クロスロード」と「HUG (避難所運営ゲーム)」の二つです。クロスロードは、災害時に発生する“究極の二択”について、グループで多数派を予想しながらポイントを稼いでいくゲームです。HUGは避難所でよく起きるトラブルを再現して、その解決策をグループ全員で話し合いながら考えていくというゲームです。
クロスロードは、互いの価値観の違いに気づかされます。
避難所運営ゲームでは、思いがけないアクシデントの連続に困惑することも。
みんなで悩みながら、ゲームに挑戦!
初めて防災ゲームを体験した人は、自分の思い通りにならなかったり、想定外のことが起きたりなど、ゲームを進めるのにとても苦労していたようです。しかし、だんだんとゲームに慣れていくにつれ議論が活発になり、多くの学びを得たという声もたくさんありました。以下は、体験会後メンバーに回答してもらった感想の一部です。
・ひとりひとりの価値観が違えばひとりひとりの答えが異なってくる、そういう状況が大いにありうる、そういった中でどうやって合意をとるのかはとても難しい問題だと思いました。
・本を読んだときは自分が経験をしたことがないからなのか、どこか違う世界な気がしていました。ゲームをやり、振り返りをした今なら、ゲームであれだけ四苦八苦してできなかったものが、もっと緊急事態の際に判断することは本当に大変だと思ったのと同時に、実際の現場でなくてよかったと思ってしまいました。
・私達大学生が出来る事は何だろうかと思うと、これらの見た体験を子どもたちにわかりやすく防災ゲームなどを通して、伝えていかなければならない事であると思います。
防災ゲームが震災を知ることから参加者自身の防災への橋渡しとなれば嬉しいです。
また、ゲームのルール説明やファシリテーションも大学生自身で行いました。ゲームを知ってもらうだけでなく、ゲームを広めることができる実践者も増やしていくというプロジェクトの目標も徐々に達成されてきたなぁと手応えを感じました。
まだまだ面白いゲームはたくさんあるので、これからの活動を通して、どんどん広めていきたいと思います!
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今回の報告は以上です。
初日は地域の方々との関わりに加え、関東と関西それぞれのメンバー同士の交流からも多くの刺激を得られた時間になりました!
次回の記事は宮城県でのフィールドワークの様子をご紹介します。お楽しみに!
(本活動は、公益財団法人電通育英会の協力を頂き実施しています。)