令和4年8月新潟県豪雨被災地域における子ども支援活動について②(8月10日〜17日)

令和4年8月3日からの記録的大雨により、新潟県、福井県、石川県、山形県、青森県の各地で甚大な被害が発生しました。被害に遭われた全ての方々に心からお見舞い申し上げます。

ROJEでは、現在2名が大きな被害を受けた新潟県村上市に入り、NPO法人村上ohanaネット、認定NPO法人カタリバと連携し、主に子どもたちに向けた居場所の支援活動を開始しています。
(ROJEは、2020年より、災害発生直後の被災地における緊急子ども支援を実施する体制の構築を目指して認定NPO法人カタリバ「sonaeru」とアライアンスを締結しています。)

新潟県豪雨被災地域における子ども支援活動報告の開始のお知らせについては、こちらの記事に掲載しております。合わせてご覧ください。

活動報告

本ブログでは、前回の記事以降の活動についてご報告します。
ROJEからは2名のスタッフが派遣され、8月10日から17日にかけて活動を行いました。

活動内容は、豪雨の被害が大きかった新潟県村上市荒川地区における、子ども預かりボランティアのサポートです。

このボランティアは、平時は発達に特性がある子やその家族を支援しているふくちゃ部さまが主に運営を担っているもので、その運営の皆様をサポートしながら、子どもたちと遊んだり、施設の清掃や消毒などをお手伝いしました。

この活動は新潟日報さんに取材していただき、新聞にも取り上げていただきました。

また、運営団体のふくちゃ部さまのブログにも子ども預かりボランティアの様子が掲載されています。

実際に現地に入ると、子どもを預けたいというニーズもあり、のべ50人の子どもたちが来てくれました。
年齢層も0歳から中学1年生と幅広く、複数回来てくれた子も多数いました。

また、子どもを預かることで、副次的に保護者が浸水した家の片付けの復旧作業などに集中できるようにもなりました。

このようなボランティアは、子どもを災害時のストレスから直接的に守るだけでなく、保護者の時間的なゆとりを生み出し、精神的な支援にもつながります。

集合写真
たくさんの子どもたちが来てくれました!

活動を通して気づいたこと

継続的な支援による安心感

被災地域に住む子どもたちは、想像以上に強いストレスを受ける場合があります。

今回は夏休みやお盆が重なったことで、学校や保育所が休みとなり、家庭以外に過ごす場所がない子どもも一定数見受けられました。そのような中、子ども預かりボランティアを行うことで、いつも同じ友達やスタッフに会うことができ、安心感を感じることができた子どもが多いように思います。

特に今回のような災害時の子ども支援では、人員の入れ替わりが多くなってしまう傾向がありますが、第三者団体が連携して同じスタッフを安定して派遣することは、重要なポイントになると感じました。

こどもの写真
シャボン玉をして遊びました!

他団体や専門家との連携の重要性

今回は、乳児や発達に特性がある子どもを預かるケースも見られました。
そのような子どもたちに対して、立ち上げ期の子ども支援では十分に手が回らないことがあります。

しかし、今回の子ども預かりボランティアでは、乳児に対しては、NPO法人村上ohanaネットの託児隊の皆様からご支援いただきました。

また、発達に特性がある子どもに対しては、特別支援教育を専門とする弊団体理事の伊藤(広島文化学園大学講師)の助言をもとに支援を行いました。

このように、他団体や専門家と連携して子ども支援を行うことは、より手厚いサポートを子どもたちに届けることにつながります。

運営者の負担軽減の重要性

災害ボランティアでは、運営者の負担を軽減することも重要です。

子ども支援の立ち上げ期には、想定外の業務が大量に発生します。
例えば、参加者名簿作成、メディアの取材対応、ボランティア人数の調整です。
また、コロナ禍の影響を受け、おもちゃや机の消毒や体温チェックなどの感染対策も必要となりました。

そうした中で、一番重要な子ども支援に手が回らないことがないように、十分な人員と物資が必要となります。

今回、ROJEをはじめとした第三者団体が人員を派遣することで、子どもを見守る人員が不足しないような環境づくりを行いました。

また、一部の運営スタッフが孤立化せず、いつでも相談できるような環境を作ることが重要になってくると思います。

今後の展望

現在(8月20日時点)、中長期的な支援のため、被災地域の子育て世帯を対象に第二回アンケートを実施予定です。

緊急時の単発的な支援だけでなく、長期的な視点で現地を支援していきたいと考えており、ニーズをもとに活動内容を検討していきます。

みなさまへのお願い

ROJEでは、災害時の子ども支援に関わることで現場のお力になれるよう尽力することはもちろんのこと、そのナレッジを蓄積して次の被災地へと継承することも目標としています。

今回のように、支援活動を被害発生直後に開始できましたのは、これまでにいただいたご支援があったからこそです。皆さまのご協力に感謝申し上げます。

現在も、引き続き災害時の子ども支援活動へのご寄付を募集しております。

いただいたご寄付は、今回の新潟県大雨の被災地域への支援活動のほか、今後の災害発生時のボランティア派遣や学習支援のための資金として使用させていただきますので、ご協力のほどよろしくお願いいたします。

▶NPO法人ROJE「災害時緊急子ども支援活動」寄付受付ページ

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