【災害と教育事業部 わたげプロジェクト】合宿in宮城県・岩手県を実施しました!Part2:2日目〜6日目

宮城県から岩手県大槌町にやってきました!!
本日から、NPO法人カタリバさんのご協力いただき大槌PBL(プロジェクトベースドラーニング)が本格的に始まりました!
PBLでは、大槌町でフィールドワークと子どもたちの学習支援を行なっていきます!

はじめに、大槌フィールドワークについてです。
 私たちは、大槌町を中心に様々な場所を訪れました。本ブログでは、一部を紹介します。

大槌の高台にある町役場では、『子どもたちの居場所を考える会』を見学させていただきました。ここでは、役場や教員の方々だけでなく、大槌に関わる地域の方や団体が一同に会して子どもたちの居場所を考えていました。
大槌町では、震災によって津波の被害を大きく受けました。そのため、以前住んでいた場所を離れ、移転先で新しいコミュニティが形成されているところもあります。様々な環境変化によるストレスは避けられません。学校は高台へと移転し、震災後は放課後の遊び場となる施設などの場所が少なくなってしまったのが現状だそうです。
私が驚いたことは、公園がないことです。管理費や維持費の資金と、人的リソースの両面から公園を設置できていないそうです。
そのため、大槌に関わっている団体では、放課後に学習支援や体験活動を実施し、子どもたちが大人と交流する機会を設けています。

ここは、大槌の安渡地区にある防潮堤の写真です。

 

 

 

 

 

 

 

 

高さは30メートル近く、海岸に沿って数キロ続いています。撮影側に海があり、反対側には住宅街があります。この地区では、震災以後場所を高台に移さず、高い防潮堤を建設したそうです。巨大な防潮堤があるという安心感はありますが、住宅街から海をみることはできません。

 

 

 

 

 

 

 

 

ここは、隣の釜石市にある根浜地区です。写真は『宝来館』という津波の被害を受けた旅館の裏山です。実際にこの裏山から津波を捉えた動画があります。 (動画はこちら)

当時は、左手の坂しかなく、車椅子の方が登れないということで新しく整備されたそうです。私は、車輪を乗せられる板を敷く配慮まで考えいなかったので、新たな視点を得ることができました。確かに元の小道は、ゴツゴツとしており、登るには苦労しました。

 

 

 

 

 

 

 

 

この根浜地区では、住民全てが高台へ移転しました。彼らは、海のすぐ近くを離れ、大きな防潮堤を建設していないそうです。震災の被害にあった集落は、あちこちで話し合いがなされ、高台へ移動するか防潮堤を建てるか議論が多く行われたそうです。訪れた場所ごとに地域性が感じられました。

また、大槌町は車がなくては生活ができません。
場所移動は基本的に車を使いました。町には、スーパーマーケットが数件とホームセンターが1件ありますが、ショッピングセンターなどはありません。大きな買い物をするときは隣の釜石市まで車で移動するそうです。高校は隣の市へ行くか、電車で3時間かけてもう1つの高校へ行く選択肢しかありません。中には、盛岡市にある高校に通うために下宿する子もいるそうです。
フィールドワークでは、復興に地域性を感じることができたり、土地柄や町民の方々について知ったりすることができました。

次に、学習支援についてです。
私たちは、大槌学園・OLAI・吉里っ子スクールに分かれて支援に入りました。
大槌学園は、小中一貫の公立校です。大槌の子どもたちの多く、はここに通います。高台に位置しており、子どもたちは校舎にたどり着くために急坂を登ります。
OLAIは、放課後の学びや遊びの場として設けている施設です。支援体制として、スタッフの方々が常駐しています。子どもたちは、ここで宿題をしたり、遊んだり、バイオリンのレッスンをしていました。吉里っ子スクールは、吉里吉里地区という山側にある吉里吉里学園にあります。大槌学園と同じく、小中一貫の公立校です。放課後に地域の方と一緒に宿題をしたり、習い事をしたりしていました。

以上の3つと大槌臨学舎でカタリバさんの学習支援の補助を行いました。

私が出会った大槌の小学生たちは、「純粋で、人懐っこくて、元気いっぱい」という印象でした。彼らは、絵を描いたり、体を動かしたりすることが大好きでした。勉強は、あまり好きではない子が多い気がしました。最初の方は、少し警戒心を持って接していましたが、徐々に心を許してくれました。おんぶや抱っこをして欲しいと言ってきたり、一緒に遊ぼうと誘ったりしてきました。私は、彼らの心情の変化に嬉しく思うだけでなく、大学生という存在が珍しいのかなとも感じました。

私たちは、大槌で過ごす中で、大槌の子どもたちに何ができるかを考えました。

たどり着いた答えは、「脱出ゲーム」でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

子どもたちの遊ぶ場所や機会の少なさを補い、そして大学生という立場を生かして様々なことを広く知って欲しいという思いで企画を開始しました。協力してくださったOLAIのみなさん、ありがとうございました。関西や大学とはどんな場所か尋ねるクイズを子どもたちに出題したり、フリスビーでターゲットを狙ったり、段ボールに玉入れしたりするゲームを考えました。大学生がOLAIを乗っ取って、全て成功するまで脱出できないという設定でゲームを作りました。子どもたちは、お互いに意見の言い合いをしながらもクイズに答えてくれました。リアクションが大きく、ひっかけ問題にしっかりとひっかかっているくらい純粋で見ている側としては微笑ましい限りでした(笑)

また、フリスビーや玉入れは本気そのものです。私たち大学生が成功すると、「大人気ない!ずるい!」など言ってきました。子どもたちは、このようなことを言いつつ、自分たちが成功すると大喜びでハイタッチをしている姿が印象的でした。脱出ゲームは大成功だったと思います。私たちは、少しでも子どもたちに何かの発見や学びがあれば嬉しいと考えています。

※本活動は、Yahoo!基金より「夏休み《学生ボランティア》被災地支援活動助成プログラム」のご支援を頂いております。

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