第三部では、学生に焦点を当て、グローバル化に対応するため学生はどのように行動していけばいいか、主に留学について伺いました。

鈴木秀康(学生登壇者):アンケート結果から、学生は英語の必要性を感じていて、留学すべきと答える学生は全体の半数を上回ることがわかりました。しかし、実際に行動に移すのは一割程度です。このことについて、陰山先生はどう思われますか?

陰山英男先生(以下敬称略):今後社会がどのように変化していくのかを念頭に置き、まずは海外に出てみましょう。現代の、海外への行きやすさを利用しない手はありません。私自身、海外経験を通じ、実は大学までの英語は高度なもので、それを引っ張り出す機会がないだけだと知りました。それに、相手は自分の英語レベルに合わせて会話してくれるでしょう。英語のレベルが低くても、なんとかコミュニケーションを取ることができるのです。これが、コミュニケーションツールとしての英語なのです。大事なのは慣れであり、英語づけになる日々を送ることが大切です。その目的意識さえあれば、短期間であっても留学には大変な意味があると思います。

鈴木秀康:では、内向きだと言われる学生がすべき行動は何だとお考えですか?

鈴木寛先生(以下敬称略):学生にはたくさんの機会があるのに、海外に出ないのはもったいないと思います。懸念があるのでしょう。ただそれらはずいぶん解消されているものも多くあります。いくつか紹介します。
まず、就職について。留学することによる就職上の不利はもう一切ありません。むしろ今求められ評価されているのは、学力ではなく挑戦する力です。
また、留学生には女子学生が少ないというのも間違いです。女子留学生の数は劇的に上昇しています。
海外で暮らしてみましょう。一回目は、生活するだけで精いっぱいでしょう。だから、複数回海外で暮らしてみてください。語学に留まらずさまざまなことを学べます。
また、いきなり留学でなくてもいいのです。日本にいる留学生の友達を作ってください。その友人が、海外への興味につながります。

鈴木秀康:一方で、留学する必要がないと感じる学生も四割ほどいるとのことですが、そのような学生はどのように活動をするべきでしょうか?

小林りんさん(以下敬称略):目的意識が重要です。たしかに、留学で知識を得るのはかなり高度な英語力が必要だと思います。しかし、目的は留学で知識を得ることだけではありません。確かに、英語のできない日々はつらいかもしれません。しかし、そのような井の中の蛙体験で学べることがたくさんあります。複数回の海外経験で初めて得られることもあります。また、興味のあることについて学んでみるというのも重要です。学びたいと思って初めて、行く価値が存在します。今すぐに学問を究めることを目標にする必要はありません。自分の目的意識をもって海外に出れば、その経験は必ず役に立つのです。

鈴木秀康:先生方のお話を聞いて、グローバル化の進む教育現場を引き続き見ていきたいと思いましたし、私自身、海外で学びたいとも思いました。皆さんも、身の丈に合った活動をとってみてはいかがでしょうか。

質疑応答

フォーラム中に行われた質疑応答の詳細はこちら。

まとめ

フォーラムの最後に登壇者の方々から、まとめの言葉をいただきました。

鈴木寛:グローバル化する社会の中で求められるリーダーシップとは、指揮者のように、個人の能力や意見を聴き分けることです。そして、誰よりも学ぼうとすることです。それは、まさにグローバルコミュニケーションを指します。社会の様々な存在について真摯に学ぶ過程で、多様性の理解が必ず生まれます。

陰山:これから、今持っている価値観の通用しなくなる社会が必ず来ます。それを避けるためには、国際化していくしかありません。大学生のみなさんには、そういった社会の変化を見据えた教師を目指してほしいと思います。

小林:国際化をはじめ、教育は大変革期を迎えています。その中で、先進的かつ意欲的に活動する教師がいます。皆さんも、そのような教師になってください。このフォーラムを活かして行動することも大切だと思います。

鈴木秀康:社会の変革期に教育を受ける子どもたちがいます。その子どもたちが大人になって世界の中心になるのです。だとすれば、世界を作るのは教育であるともいえます。ここでいう教育の機会は、教師だけではなく、様々な人にあります。だからこそ、一人ひとりが教育について考え、実行に移していくことが大切だと思います。