第一部では、3人の登壇者にグローバル化をどのように捉えているか、お話を伺いました。グローバル化は、海外に出ていく人だけではなく、日本にいる人も含めて考えていかなければいけないということをお話していました。

「日本の社会がグローバル化により大きく変わる。」

鈴木秀康(学生登壇者):今回のテーマは「『グローバル化時代』の日本の教育」です。
現在の社会は目まぐるしく変化をしていますが、その中でも教育は社会の目まぐるしい変化の影響を大きく受けるでしょう。そこで、今回は現在の社会の流れの一側面として『グローバル化』というものに焦点を当てました。

これから『グローバル化』ということに関して登壇者の方々にお話しを伺っていきたいと思います。

鈴木寛先生:私が文部科学副大臣時代に、グローバル人材育成推進会議というものを作らせました。そこでのグローバル化とは、『人、物材、情報の国際的移動が活性化して、各国が他国や国際社会の動向を無視できなくなっている現象』を指します。
その会議の中で政府が非常にユニークな視点として提出されたのが、グローバル人材を『国際的な産業競争力の向上や国と国の絆の強化の基盤として、グローバルな舞台に積極的に挑戦し活躍できる人材』と定義付けたことだと言えます。
また別のプロジェクトで、これからの日本の産業構造、社会構造を考えたときに医療・介護、ICT(情報通信技術)関連、グローバル人材の3つが必要になる、と言われました。その中でもグローバル人材は、製造業、サービス業などありとあらゆる産業や会社に展開していくことになるでしょう。
私は2020年オリンピック・パラリンピック招致議連事務局長をしていますが、これに向けて日本は急速にグローバル化が進むと思われます。特に若い人には全員がオリンピックの受け入れボランティアになってもらって、世界中の人達と友達になって欲しいです。今日はそのような世代の人達に向けたフォーラムだと思っているので、もう一度グローバル人材というものについて考えてもらえたらありがたいです。

鈴木秀康:小林りんさんはグローバル化をどう捉えていますか。

小林りんさん(以下敬称略):「グローバル化といっても短期的なものと中・長期的なもの二つがあると思っています。
今年インターナショナルスクールを開校します。このプロジェクトをはじめようと思った6年前でのグローバル化という解釈は『海外に行く人には関係するけど、国内にいるだけの人には関係のないもの』というものでした。当時の私は、それは短期的な側面に過ぎず、中長期的に見れば、これから労働人口が2000万人減少していく中で、国内でも海外からの外国人労働者の受け入れや、そこから生じる移民といった一種のタブー的な問題が必ず出てくると考えていました。そう遠くない未来、国内にもグローバルの波がやってくることで劇的に変わってくる時代がやってきます。
私たちの学校では、英語はあくまでツールでしかないと考えています。それよりも大事なのは、多様な価値観・多様性に対する寛容さが大事な時代になっていきます。そういったことからも英語教育だけでなく様々な側面から教育を考えていく必要があります。

鈴木秀康:陰山先生はグローバル化をどのように捉えていますか。

陰山英男先生日本が東南アジアやヨーロッパといった海外で何をするのかではなく、日本の社会そのものがグローバル化していく、ということをしっかりと捉えるべきだと思います。
現時点でも、多くの在日の外国人の方が日本の社会に溶け込んできていますし、それらの方々のネットワークで回っているような産業も存在しています。私たちが思っている以上にグローバル化はニュースに出てこないところまで進んできているのです。また、人口の減少により、日本人は同じGDPを維持するために、外国人を受け入れざるを得ないでしょう。その過程で日本の社会構造が大きく変わっていくのは間違いありません。
2020年を期して小学校で英語教育が始まります。3・4年で1時間、5・6年生で3時間おこないます。2020年はオリンピックによって海外から大勢の人がやってきます。その際に特に東京や京都は社会構造が大きく変わることになるでしょう。やはり、これからは今までにはなかったような大激変が始まるでしょう。これから私たちはそのことをしっかりと見定めた上で今後のことを考えていかなければなりません。

mayfes写真:開演前の様子