関西教育フォーラム2015 コラム⑧力のある学校とインクルージョン

11.17


みなさんこんにちは。伊藤駿です。今回のテーマは「力のある学校」「インクルージョン」というものです。

さて、いきなりですが「インクルージョン」という言葉をご存知ですか。日本語に訳される時は「包摂」と訳されることが多く、インクルーシブ教育について語られる時に使われることが多いように思います。インクルーシブ教育とは、決して「障害」のある子どもを通常学級で教育することでありません。

これまでのコラムでも触れてきたように、子どもたちの教育的ニーズとは決して障害だけでなく、家庭に由来するものや国籍に由来するものなど多岐にわたっています。インクルーシブ教育とは全ての子どもに何らかの教育的ニーズがあり、かつその教育的ニーズに応答するために、教育システムを変えていくプロセスを意味します。簡単に言えば、視覚に困難がある子どもに対して眼鏡の使用などを要求するのではなく、拡大教科書などその学び方の範囲を広げていくことを指します。

考えてみれば、今の学校は色々な「当たり前」の上で成り立っています。授業中は静かに座っていなければならない、入学時点である程度はひらがなが読めなければならないなど、それは多岐に渡っています。こういった「当たり前」にきちんと応答できる子どもだけでないのは、もう周知の事実でしょう。

「力のある学校」は以前も紹介したとおり、不利な環境下にある子どもたちを抱えつつも一定の学力保障に成功している学校を意味します。教育における公正を考えた時に、子どもがどうしようもない理由で不利な立場を再生産することを食い止める必要があることは明らかです。そういったことに取り組む学校は、個々の教育的ニーズに応答しながら一定の成果をあげている。こう考えれば、「力のある学校」を「インクルーシブ教育への志向性を持つ学校」と考えることもできるのではないでしょうか。

インクルーシブ教育は先にも述べたとおり、障害のある子どもに限らず、全ての子どもに教育的ニーズがあることを前提とし、そのニーズに応答していくことを目指し教育システムの側を変えていくプロセスを指します。学校が子どもの持つ環境的な不利を乗り越えるために様々な取り組みをすること、これはインクルーシブ教育の一つの形と言えるのではないかと筆者は考えています。

今回のフォーラムはこういった観点からみれば、インクルーシブ教育の実現に向けてそれぞれの立場の人たちがどのように頑張っているのか、そういったことも見えてくると思います。ついに次回は最終回。イギリスのシュアスタートの事例紹介です。学校紹介がなかなかできなくて悲しいです。スコットランドでもスウェーデンでもたくさんの知見を得ることができたのでどっかで共有したいと思います。

参考文献
インクルーシブ教育とは:インクルーシブ教育研究会あぜみ(オンライン:http://jsie.jimdo.com/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%AF%E3%83%AB%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%96%E6%95%99%E8%82%B2%E3%81%A8%E3%81%AF/ )(平成27年11月 10日最終アクセス)
志水宏吉 2009 『「力のある学校」の探求』 大阪大学出版会

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フォーラム概要

■テーマ:「教育格差」

■開催日時:2015年11月22日(日) 14:00~16:30(途中入退場可)

■場所:京都大学吉田キャンパス法経本館第七教室

■入場料:無料

■主催:NPO法人日本教育再興連盟(ROJE)

■登壇者:?山英男氏(立命館大学教育開発推進機構教授・立命館小学校校長顧問・

     NPO法人日本教育再興連盟代表理事)

     若槻健氏(関西大学文学部准教授)

■特別ゲスト:西矢大亮先生(茨木市立郡山小学校)

■後援:京都府教育委員会

    京都市教育委員会

    文部科学省

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・参加申込はこちらのフォームからお願いいたします

※今回のフォーラムでは、事前に申し込みをしていただいた方の中から抽選で本を配布します!詳しくはこちら!

・フォーラムに関するお問い合わせは関西学生事務局(roje.kansai@gmail.com)まで

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