関西教育フォーラム2015 コラム⑥効果のある学校

11.13


みなさん、こんにちは。スウェーデンより伊藤駿です。曇ってばかりのスウェーデンですが、たまたま晴れ間に出会うことができました。

 

今日書いていくのは、「効果のある学校」(英名:effective school)についてです。ただこの内容は今回のフォーラムの根幹でもあるため、書きすぎないようにしないといけませんね(笑)

「効果のある学校」は、鍋島(2003)によれば「環境的に不利な立場にある子どもたちの基礎学力を下支えすることに成功している学校」と定義されています。その研究は欧米ではすでにある程度の蓄積がなされているのに対して、日本ではそれほど蓄積がまだなされていません。その理由を簡単に決め付けることはできませんが、筆者自身は環境的に不利な子どもが低学力になるという事実を忌避していたことにも起因しているのではと考えています。欧米の研究としては、例えばEdomonds(1986)は「効果のある学校」の特徴として、①校長のリーダーシップ、②教員集団の意思一致、③安全で静かな学習環境、④公平で積極的な教員の姿勢、⑤学力測定とその活用、という5点を導いています。

 

もちろん、この効果のある学校は、何をもって環境的に不利とするか、また、何が基礎学力の下支えをしているかということを決めなければ抽出することはできません。加えて、学校自身も決してそれをねらいに日々の教育活動を行っているわけではなく、副産物としてそういった結果が生じていると考えられます。さらに言えば、この「効果のある学校」論では「カウント可能な学力」つまりテストで測れる学力が基準となります。以前も述べたように、決してそれだけが学校で養われる学力でないことはみなさんも同意いただけると思います。しかし、テストで測られる点数がある程度の社会生活へのパスポート的役割を果たしていることもまた事実です。

つまり、この「効果のある学校」という考え方は、これまでのコラムの中で見てきた、再生産構造や環境的にしんどい子どもの低学力問題を乗り越えることに成功している学校に着目したものです。今回ご登壇いただく郡山小学校も、環境的にしんどい子どもを抱えながらも、学力の下支えに取り組んでいる学校です。一体こういった学校の共通点はなんなのか、そしてそのために我々が何をできるのかをフォーラムで一緒に考えていければと思います。

 

最後にこのコラムのイントロダクションが公開された日に多くの方に参加申込みをいただいたということで、確実に偶然ではありますが、筆者は嬉しかったです(笑)

 

参考文献

志水宏吉 2006 「学力格差を克服する学校」『教育学研究』,73,4,pp336-349

鍋島祥郎 2003 『効果のある学校?学力不平等を乗り越える学校』,解放出版社

Edomons,R.R, 1986 ‘Characteristics of Effective Schools’, in Neisser, U.(ed.), The School Achievement of Minority Children, Lawrence Erlbaum Associates.

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フォーラム概要

■テーマ:「教育格差」

■開催日時:2015年11月22日(日) 14:00~16:30(途中入退場可)

■場所:京都大学吉田キャンパス法経本館第七教室

■入場料:無料

■主催:NPO法人日本教育再興連盟(ROJE)

■登壇者:?山英男氏(立命館大学教育開発推進機構教授・立命館小学校校長顧問・

     NPO法人日本教育再興連盟代表理事)

     若槻健氏(関西大学文学部准教授)

■特別ゲスト:西矢大亮先生(茨木市立郡山小学校)

■後援:京都府教育委員会

    京都市教育委員会

    文部科学省

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・参加申込はこちらのフォームからお願いいたします

・フォーラムに関するお問い合わせは関西学生事務局(roje.kansai@gmail.com)まで

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