関西教育フォーラム2015 コラム⑤文化的再生産

11.12


みなさんこんにちは。伊藤駿です。今回は前置きなくいきなり中身に入っていきたいと思います。今日のテーマは「文化的再生産」というものです。

教育社会学の領域に限らず有名な言葉なので知っている方も多いと思います。最近では相続税の節税が流行り、格差の再生産につながるなどという話もよくニュースで見ることが多いですね。

文化的再生産はおもに2つの意味で使われます。文化資本の再生産と、それを通じた学歴や階層の世代間での再生産です。とても簡単に言ってしまえば、高学歴の両親からは高学歴の子どもが育ちやすいというものです。例えば歴史の知識などについて食卓で普段話す家庭は、おのずと子どもがそういった事項に触れる機会が多くなるため、豊かな文化資本を手に入れることができるというのです。

もう少し考えていきます。学校での当たり前が家庭での当たり前ではなかったという経験は、これまでになかったでしょうか。私が記憶に残っているのは、テレビのリモートコントローラーのことを我が家ではリモコンというのに対して学校ではチャンネルと言っている家庭や先生が多かったのです。この例はもちろん取るに足らない例ですが、例えば、家では全く勉強をするという習慣がなければ宿題をやってくるのも難しいかもしれません。この学校にとっての当たり前と家庭での当たり前が近ければ近いほど学校に適合しやすいのは想像に難くありません。また文化資本が高ければ高いほど学校で「良し」とされる状況であることもまた想像に難くないでしょう。そうしてより高い学歴を手に入れることができるというわけです。

幸か不幸か、学歴は今の社会でどのように生きていけるかをある程度決める影響因であることは間違いありません。さらに、不幸にも学校は、その再生産を助長しているといえるでしょう。なぜなら、学校は当たり前を当たり前として捉え続け、それに適合的な子どもがよりよい結果を手に入れることができる場だからです。もちろんそうではなく、学校と地域がつながり学校現場での再生産を食い止める、特に下位層の再生産を食い止め、学力格差を縮めていこうという学校も多く存在しています。このへんの内容は、フォーラム本番で西矢先生より郡山小学校の取り組みをご紹介いただくことで明らかになっていくと思います。今日はこの辺で。下にある参考文献も興味があればご覧ください。

参考文献

Bourdieu, Pierre. / Passeron, Jean-Claude. 1970. La Reproduction : elements pourune theorie du systeme d’enseignement. =宮島喬訳、1991『再生産――教育・社会・文化』藤原書店

文化資本と文化的再生産(オンライン:http://homepage3.nifty.com/tanemura/re3_index/6H/hu_cultural_capital.html)(平成27年11月5日最終アクセス)

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フォーラム概要

■テーマ:「教育格差」

■開催日時:2015年11月22日(日) 14:00~16:30(途中入退場可)

■場所:京都大学吉田キャンパス法経本館第七教室

■入場料:無料

■主催:NPO法人日本教育再興連盟(ROJE)

■登壇者:?山英男氏(立命館大学教育開発推進機構教授・立命館小学校校長顧問・

     NPO法人日本教育再興連盟代表理事)

     若槻健氏(関西大学文学部准教授)

■特別ゲスト:西矢大亮先生(茨木市立郡山小学校)

■後援:京都府教育委員会

    京都市教育委員会

    文部科学省

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・フォーラムに関するお問い合わせは関西学生事務局(roje.kansai@gmail.com)まで

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