関西教育フォーラム2015 コラム③「学力」とは何か?「学力」はテストの点数なのか?

11.05


 みなさん、こんにちは。伊藤駿です。今回のコラムでは「学力」ということについて考えていきたいと思います。

 いきなりですが、「学力」とはなんでしょうか。もし、学校で養われる力を「学力」とすれば、それは全てテストで測定可能でしょうか。

 おそらくほとんどの人の答えはNoになるのではないでしょうか。なぜか。例えば、通知表って覚えていますか。国語、算数、理科、社会などが5段階評価、ないし「よくできる、できる、がんばろう」などで示されていたことは覚えていると思います。それと同時に右側に「思いやり」などという項目がなかったでしょうか。

 その右側のページこそが大切だと思っている人も少なくないでしょう。では、「学力格差」の「格差」を量的に考えるためにはどうしたらよいのでしょうか。簡単です。基本的に教育社会学の領域においては、テストで「格差」を量的に測っている、つまり、テストの点数をもとに「格差」を語っているにすぎません。つまり、右側のページの部分は無視してしまっているのです。

 もちろん、道徳が必修化かつ評価までなされるようになれば、こういった状況も変わるかもしれません。しかし、少なくとも現在の「学力格差」という考え方にその「心」の測定までは含まれていません。事実、こういった考え方には「学力の一元化」という批判もしばしばなされます。

 では、テストで測れる学力は意味のないものなのでしょうか。また、残念ながら、学校教育のアウトプットとして評価され、またある程度の将来の保障、パスポートとなるのはテストで測れる学力であることも事実ではないでしょうか。そこで今回の関西教育フォーラムもアウトプットとしての学力、つまりテストで測れる学力における「学力格差」を対象に論を展開していく予定です。

 もちろんテストで測れない力が徐々に重要視されてきていることは事実です。クリエイティブな活動を推進する塾が現れてくるなど、これまでの学力観が徐々に変わりつつあることはまぎれもない事実と考えていいでしょう。関西ROJEのプロジェクトの一つである「VARY」ではそういった流れを追いかけるべく、今年度のテーマを「オルタナティブ教育」とし、オルタナティブスクールのスタッフの方の講演会なども行い、同時にインプットを行っています。

 将来、社会でどのような力が求められるのか。それを学校で育む必要があるならば「学力」というものは変化し続けるでしょう。そうすればこの今ある学力格差も変わるかもしれません。しかしそれ以上に怖いのは、その変化を前提に話を進め、今ある格差から目を背けることではないでしょうか。

少なくとも、現在私たちの生活をテストで測れる学力が保障する、という可能性は大いにあります。それがどのような背景を持って生まれたかという、子どもがコントロールできない部分で決まっていいことは公正とは言えないのではないでしょうか。それが私たちの持っている問題意識の一つであり、解決していきたい問題でもあります。変化する学力観にも目を向けつつ、今ある格差を乗り越えるにはどうしたらよいのか。是非とも登壇者、参加者と一緒に考えましょう。

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フォーラム概要

■テーマ:「教育格差」

■開催日時:2015年11月22日(日) 14:00~16:30(途中入退場可)

■場所:京都大学吉田キャンパス法経本館第七教室

■入場料:無料

■主催:NPO法人日本教育再興連盟(ROJE)

■登壇者:?山英男氏(立命館大学教育開発推進機構教授・立命館小学校校長顧問・

     NPO法人日本教育再興連盟代表理事)

     若槻健氏(関西大学文学部准教授)

■特別ゲスト:西矢大亮先生(茨木市立郡山小学校)

■後援:京都府教育委員会

    京都市教育委員会

    文部科学省

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・参加申込はこちらのフォームからお願いいたします

・フォーラムに関するお問い合わせは関西学生事務局(roje.kansai@gmail.com)まで

・関西教育フォーラムの詳細や登壇者の詳しい紹介についてはこちらからご確認いただけます!ぜひご覧ください!

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