関西教育フォーラム2014 コラム② 【グローバル化と地球市民 -Who is a Global Citizen?-】

10.31


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「グローバル化でどうなる?どうする?地球市民の育て方」  
 関西教育フォーラム2014のビラやイベントページに書かれているこのフレーズ、みなさんはもうご覧になりましたか?  
「地球市民」。
どこか耳慣れないように思いますが、実はこの言葉、今回のフォーラムのキーワードなんです!

 
 そこで、フォーラムをもっと楽しむために、「地球市民」についてともに考えてみましょう。 ?

 

? *地球市民って誰?

 「日本人とは、いったい誰のことを指すのか」と聞かれた時、みなさんはどう答えますか?

わたしは日本人ですが、いったい何によってそれは決められているのでしょうか。

アプローチによって様々な見解がありますが、法的には「日本国籍」を持つ人々のことを指します。民族でもその言語でもなく、国籍によってわたしは日本国民、すなわち日本人とみなされているのです。  

 では、「地球市民とは誰のことを指すか」と問われた場合、なんと答えればよいのでしょう。 今回は“Citizenship”という言葉を軸に、その答えを探っていきたいと思います。

 

? *シティズンシップとは  

 Weblio英和辞典で”Citizenship”を調べてみると、「市民権、国籍、市民としての行為、権利と任務をもつ市民の地位」などが記されています。 

 “市民(シティズン)”とは、国政に参与する権利を持った人、もしくは共同体の政治的主体としての構成員のことです。

 そこで、シティズンシップは大きく分けて二つの意味を持つと考えられます

一つは国籍。国が管理する戸籍のことです。

もう一つは“自ら主体的に社会に参画し、行動しようとするような市民である状態、行為、権利”。

 教育に興味のある方は、これと似たような意味を持つ言葉を聞いたことがあるかもしれません。社会科や公民科の学習指導要領では、“公民的資質”という言葉として登場しています。

 この”Citizenship”の持つ二つの意味に着目すると、地球市民が何者なのかが見えてきます! ?

 

*市民のもつ“国籍”は生まれた場所、もしくは「親の国籍」によって決定する

 生まれ落ちて国家に存在を認識されると、大半の人々は自分の意思とは関係なく、どこかの「国籍」を取得することになります。もちろん後々自分の意思で違う「国籍」を取得することも可能ですが、ある程度の期間は生まれ持った「国籍」に縛られるのがほとんどです。

 一方、「地球籍」とは非常に曖昧なものです。宇宙で人間が子どもを産まない限り、すべての人間はこの地球上に生まれています。親もおそらく地球人であると考えられます。そんな中で、「地球市民」とはすべての人間のことを指すのでしょうか?

 国籍を管理する国家の組織のように、地球籍を管理する組織は存在しません。“籍”によって地球市民を証明するのは今のところ不可能です。よって地球市民になるために、何かの組織に認められる必要はないようです。

 では、どうすれば地球市民になれるのでしょうか。

 

? *市民とは自ら主体的に社会に参画し、行動しようとするものである

 そこで、自ら主体的に社会に参画し、行動しようとするものであるという”Citizenship”もう一つの意味を見てみましょう。

 近年「シティズンシップ教育」という言葉が日本でも少しずつ浸透しつつあります。その先進国であるイギリスにおいて、「シティズンシップ教育」は「“行動的で、知識を持ち、批判的精神を持ち、責任感のある市民として、効果的に社会に参加する力を全ての市民につけること”を目的とした教育」[i]と定義されています。

 一部の人々にすべての決定を委ねるのではなく、自らの意思で積極的に社会を作っていこうとする市民を育成するための教育です。

 市民が社会に参加することの例としては、インターネットでの議論や、選挙の投票、町内会など政治や行政への参加から、まちづくりへの参加やボランティア、NPO活動等の社会貢献活動があげられます。  

 少し具体的なイメージが見えてきましたね。

 地域社会に参加し主体的に行動する人がその地域のCitizen、少し規模を大きくして、国家社会のそれがNational Citizen、そして、その規模をさらに大きくしたのがGlobal Citizen、つまり地球市民です! ?

 

*どこにいても地球市民!

「でも、私は日本から出たくないしなあ」

「海外に行く余裕なんてないし、英語も話せないし、国際的に活躍なんてできないよ。僕は地球市民にはなれないな」

 そんなことを考えてはいませんか?

 それは国に縛られたInternationalな考え方です。なぜならあなたが今生きているその場所も「地球」の一部なのです。私たちはどこにいても地球社会に参画し、その市民としての責任感を持って行動することができます。

?  地球市民になるためには、どこに生まれ、どこに生きるということは一切関係ありません。何かの組織に認めてもらう必要もありません。

 必要となるのは、“意思”と“行動”、ただそれだけです。

“Think Global, act Local.”

 自分の住んでいる地域で、自分がこの地球の一員であることを自覚して積極的に行動してみるそれこそが、地球市民として生きる第一歩なのではないでしょうか。

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 さて、本コラムはこれにて終了となります。

 「地球市民って誰なの?」という問いへの答えは見つかったでしょうか?

たとえ見つからずとも、本コラムがその問いについて考えるきっかけとなれば幸いです。

  関西教育フォーラム2014では、地球市民についてさらに深く考えることができます。 日本人の心のふるさとともいわれる京都の地で、グローバルな視野を育んでみませんか?

 1123日、京都大学11月祭の会場にて皆様をお待ちしています!

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 それでは季節の変わり目のこの時期、風邪を引かぬよう充分にご自愛くださいませ。

 

? 文責:関西ROJE広報担当 平野愛

 


[i] 嶺井明子?(2007)?『世界のシティズンシップ教育?―グローバル時代の国民/市民形成』,?東信堂, p.190

 

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