【災害と教育事業部 わたげプロジェクト】「教育からの復興支援を考えよう」を開催しました!

12月7日に東京、続けて12月8日京都にて、『教育からの復興支援を考えよう~被災地における教育の今を知り、これからの支援のあり方を考えませんか?~』というイベントを開催しました。
私たちが岩手県の大槌町で行なった課題解決型学習の報告会と、復興支援に携わっておられる伊藤駿さん(NPO法人ROJE災害と教育事業部スーパーバイザー)×菅野祐太さん(大槌町教育専門官・認定NPO法人カタリバ職員)の対談イベントの二本立てでした!

 

第一部「被災地の今を知る」

①岩手県大槌町で行った課題解決型学習について、学生から発表(京都会場でのみ開催)

前半は、「被災地の今を知る」ということで、大槌町での課題解決型学習を通して、学生が何を考えたかを発表させてもらいました!学習支援を通じて子どもたちと関わったり、現地の方々のお話を聞いたりするなかで、大槌町の課題を考え、「自分たちは何ができるか」を考えつづけた1週間。塾のように勉強を教えるだけでは、思うようにいきませんでした。私たちにとって、「言葉だけの教育支援」を考え直させられる機会となりました!

↑学生も自分たちなりの目線で、感じたこと考えたことを伝えました!


②菅野祐太氏からの講演

その後、登壇者の菅野さんから大槌町の教育やNPO法人カタリバの活動についてお話をいただきました。震災が教育や学校にどのような影響を与えたのかを、写真やエピソードを交えながら話していただき、被災地外の人にとっても、他人事ではないことを思い知らされました。特に、被災後に初めて学校に集まった子どもたちの写真を見せながら、「学校が子どもにとって、どういう場所なのかを考えさせられた」という言葉は印象的でした。

 

第二部「教育からの復興支援を考える」

次に、「教育からの復興支援を考える」と題して、対談イベントを行いました!
対談イベントで登壇してくださったのは伊藤駿さん、菅野祐太さんのお2人。

↑対談中の様子。会場を巻き込んで、復興支援について考えるいい時間になりました!

伊藤駿さんは現在、大阪大学大学院人間科学研究科博士後期課程に在学されており、教育社会学分野で研究に携わりながら、NPO法人ROJEでは「災害と教育事業部」のスーパーバイザーとして、被災地での復興支援活動に取り組まれておられます。

菅野祐太さんは現在、大槌町教育専門官(高校担当)・県立大槌高校カリキュラム開発等専門家・岩手県社会教育委員を務めておられ、大槌町の教育をNPO・行政の立場から支えておられます。

お二人の対談の中で、冒頭に論点が整理されました。

〇被災地と未災地の境界の難しさ

どこからが被災地でどこからが未災地なのでしょうか。それを決めることは誰にもできないと思う一方で、行政や復興支援においてその境界線を決めなければならないこともまた事実です。

 

〇地方における教育のさまざまな問題点

子どもの減少や、進路の選択肢の少なさなど、被災する前の多くの教育の問題があらわになってきました。そこに住む人たちの教育はいったいどのように進めるべきなのでしょうか。

 

〇被災地の評価方法について

復興支援を掲げる中で問題となってくる「被災地の評価」。カタリバは独自の指標を用いて、大槌町に参入しましたが、それは実は単なる後付けの理由だったり…誰の責任のもとに被災地にラベル付けをして、「評価」することができるのでしょうか。そして復興という言葉が意味するものは何なのでしょうか。

このような対談の中で、僕がもっとも印象に残ったテーマは、「被災地に対する被災地外の関わり方」です。カタリバをはじめ、「復興支援」を掲げるうちは、目的をはっきりさせず突き進めることができていた一方で、今、被災地は大きな分岐点となっていると菅野さんはおっしゃいました。

「”何のために”その活動をするのか」「もはや一方的な支援ではなく、価値交換を大切にしなければならない」など、イベント題名の通り、「教育からの復興支援を考える」機会となりました!

どれも興味深いお話で、実際に復興支援に最前線で携わってきた方々だからこそのリアリティを伴った対談となりました!参加者の方からも、たくさん質問やコメントをやりとりする場も見られ、大盛況のまま幕を閉じました。

 

おわりに

今回のイベントを通して、「被災地外と被災地との関係」について深く考えさせられました。現地の方や被災地外から関わり続ける方、教育の現場に出ている方など、たくさんの人の観点から、”教育からの復興支援”について考える時間となりました。これからわたげプロジェクトとしても、このような機会をどんどんつくっていこうと思います!

 

次回イベント

今回のイベントでは、被災地外からの「教育による復興支援」を考えました。しかし、被災地「外」だからといって、災害と無縁なわけではありません。むしろ、これからいつ起こるかわからない災害に向けて、様々な備えをしておくことが必要です。
それでは、教育はそんな「災害に対する備え」に対して、どんな実践ができるのでしょうか?現在多くの学校現場では防災教育というと形式的な避難訓練に留まることも多いですが、本当にそれでいいのでしょうか?
一口に「防災教育」といっても、世の中には本当に多種多様な教育実践が存在します。そんな「多様で、おもしろい」防災教育を学ぶイベントが、3月20日(金・祝)開催の「防災教育実践交流会2020・春~多様な防災教育の在り方を知り、考える~」です!

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